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メデューズ号の筏
歴史
ジェリコー
メドゥーサ
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筏
セネガル
死
事件
ルーヴル美術館(パリ)
GERICAULT Theodore
ジェリコー|1791-1824
1819年|カンヴァス、油彩|491×716|パリ:ルーヴル美術館
備考|ジェリコーの代表作品。この作品はサロンに発表するわずか3年前に実際に起きた事件を題材にした絵画である。1816年、フランスの新植民地となったアフリカ西海岸のセネガルをめざしていたフリゲート艦メデューズ号がモロッコ沖で座礁するという事件が起こる。離礁することが出来なかったため、乗客は備え付けの救命ボートで避難しようとしたが、乗れる人数が限られており、乗客全員を乗せることは不可能であった。そのため、破損したメデューズ号の用材をロープでつなぎ合わせて臨時の筏を造り、救命ボートに乗りきれなかった149名を乗り移らせた。最初は救命ボートが筏を牽引していたが、漂流初日に悪天候に見舞われ、救命ボート自体の航行も危うくなると、ボートの乗組員が筏をつないでいたロープを切断してしまい、牽引船と保存食を失った筏はあてもなく荒海をさまようこととなった。筏は12日間漂流したあげく、他の船によって発見されたが、149名のうち生存者はわずか15名にすぎなかった。当時のフランス政府はこの事件を当初ひた隠しにしたが、やがて人々の知るところとなり、12日間の漂流期間中、筏の上では殺人、食人を含む様々な非人間的行為が行われたことが明るみに出た。